■コラム:MRの存在意義を考える

何かに困ったとき・迷ったとき、「この人の意見を参考にする」ということがある。ある領域においては、「自身の羅針盤的存在となる人」を定めている方も多いと思います。
コンサナリストの川越満さん。
製薬業界の動向や将来を考えるとき、私の羅針盤となる方です。
久しぶりにお会いし、いろいろな話をさせていただきました。


以前のコラムにも書いた、「2020年にMRはいなくなる!?」ということ。
約1年前の「人材協 業界研究セミナー」の際に川越さんうかがったことなのですが、その後の動向はどうなっているかをお聞きしました。
欧米と日本では多少の違いはあるものの、少なからず、その方向に向かっているのは事実のようです。
但し、これは「MR不要論」ではなく、「MRの在り方が変わっていく」ということです。
欧米では、MR全体における「コントラクトMR」に比率が高まっているのは皆様もご存じのことと思いますが、更にインターネットによる「医薬情報の提供」が進んでおり、「必要とする情報を医師が自ら調べ、薬剤師等と協議し、製薬メーカーに連絡をする」という流れが起こっており、或るメーカーでは、地域ごとにコールセンターを設け、そこにMRが常駐し、問い合わせに対応しているそうです。つまり、医師のもとに足繁く通う必要が無いということになり、「情報提供者」の数は大きく削減できるということでしょう。
インターネットの活用という点において、日本ではどうかというと、某メーカーでは全MRにタブレットPCを携帯させ、それを用いて医師への情報提供を行っているようです。ですがこれは、紙の資料がタブレットPCに変わっただけであって、従来の方式と同じこと。システムのセキュリティを強化し、医師にIDとPWを付与すれば、医師自らが必要な情報を入手できます。加えて、病院での薬剤師という「専門家」の採用が進んでいることを考えると、日本にも欧米の流れが確実にやってくるでしょう。
繰り返し申し上げますが、これは「MR不要論」ではなく、あくまでも「MRの在り方が変わっていく」ということです。
では、これからの時代の「MRの存在意義」とは?
現役MRの皆様はもちろんのこと、MRを目指している皆様も是非とも考えてみていただければと思います。
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